第76章

「また黙り込むなよ!」

葵は低い声で答えた。

「わかった」

春は呆然と立ち尽くした。

「マジで?」

「本当よ」

春の目頭がふいに赤くなり、すぐさま顔を背けた。

「よし、なら今日は病院をぶっ壊してでも、あのディスクを取り返してやる」

地下コールドルームの入り口。

重厚な鉄扉が固く閉ざされている。

セキュリティパネルの画面が赤く点滅していた。

春がハッキングを仕掛けようとした瞬間、扉がひとりでに開いた。

骨まで凍りつくような冷気が吹き付けてくる。

通路の突き当たりに、白い照明が一つ灯っていた。

その光の下には、手術台が置かれている。

傍らに立つのは、圭治だった。

...

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